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いつもカメラ(Google Pixel8pro)を持ち歩いて生活の景色を撮ってはのせている日記です。

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木挽き職人

木を読む-最後の江戸木挽き職人:林以一著:小学館

木を読む―最後の江戸木挽き職人 (SERAI BOOKS)

木を読む―最後の江戸木挽き職人 (SERAI BOOKS)

お化けみたいな大鋸で丸太から製材をする
「木挽き」(こびき)職人の語り話です。


語り口が非常にきれいで読んでいて気持ちがいいです
きっと話をしたのをそのまま文面に起こしたのでしょう。


大鋸で木挽きをする職人はもう日本に10人前後しかいないとの事ですが
10年程前の本なので、現在は何人いるのでしょうか?


しかし人力で木を製材するというと効率が悪そうです


実際に木を加工してみて体験したのですが
機械で木を切ると香ばしい臭いがします
高速回転する刃との摩擦で木が焦げているんです。


一本、何千万円するような銘木でコレをやってしまったら
元も子もないですね。


また人間よりも長く生きた木を
切り倒し加工するという事に対して木へ畏怖の念を抱き接する事。


精神論や宗教っぽい話になりやすいんですが
自然崇拝、日本の場合は自然を恐れるような表現が多いと思います
人間が自然を征服するのではなく従順する立場にあるという考え


実際、日本の神社っていろんなものを祭ってありますよね
このような考えが日本流の自然保護だったんでしょうね。


ところが戦争や機械の発達で、従順服従のバランスが崩れて
山の神様なんてどっかいっちゃった。


日本の高樹齢の木は戦争の物資調達で相当数が切られ
艀になって海の藻屑となったそうです。


山の木を今の人間の生活や心になぞらえた話が多いです
技能一辺倒ではない広い目を持つ「職人」というのをを感じました。

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