世界でいちばん優しい椅子:宮本茂紀 著:光文社
- 作者: 宮本茂紀
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2003/12/15
- メディア: 単行本
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名作椅子に海外ブランド家具製作、そして迎賓館、明治村家具の修復。
新幹線、自動車のシート開発から寝台特急「カシオペア」の内装家具まで。
椅子にとりつかれた男のさらなる挑戦。
宮本茂紀氏は先日購入した「原色インテリア木材ブック」の著者でもあり
椅子で有名な「五反田製作所」の代表です。
東京の芝がかつて家具で有名だったそうで
芝の家具職人について調べていたらこの本に出会いました。
自伝の様な本で、デザイナーとの思い出話は良くわからなかったのですが
丁稚奉公で家具の世界に入り、芝の最期を職人として見た話は
芝が衰退して行くまでを現場にいた当事者として語っているのが面白かった。
東京の職人気質というのが仇になった部分もかなりあったようですね
「室内40年」で山本夏彦氏が言っていた「最後の職人」というのは
多分この世代の人達ではないのか、と思います。
丁稚奉公に共感する部分はありますが、今の物や情報が溢れている世界では
他の世界が目移りしちゃって、余程芯がないと持たないでしょうね。
一方でハンスウェグナーもそうでしたが
二十代前半で一人前として独立しているのを見ると
羨ましいな、と思う部分もあります。
自分もそうですが今の人たちは道を選びすぎているうちに
歳をとっちゃうのかな。