オタク六人対おばさん六人が殺し合い、エスカレートして最後は大爆発で終わるという
バトルロワイヤルより一億万倍素敵なお話。
オタク衆がおばさんを殺すために埼玉と群馬の県境にトカレフを買いにいくくだり
大型のパチンコ屋、車のディーラーとラーメン屋しかない、
しかも店の看板はすべて英語という景色に遭遇する。
- 作者: 村上龍
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 1994/03
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それは全く恐ろしい景色だった。何一つとして美しい物がなく、強引に美しい物を目の前から消し去った様な景色、
何かを行おうという意思や気力をぐじけさせるもと色ばかりで構成された景色、
みんな田舎出身だったので、「オレ達はこういう景色の中で育ってきたのだな」と思い、
東京とはどこが違うかを考え、要するに東京はゴチャゴチャしているのでそういうリアルな点がみえにくくなっているのと、
健在の種類や看板の英語の自体や建物の色が田舎よりは神経を使って構成されているだけだ、
と気づき、それでも田舎よりはましだと思い、
ほんの一瞬だが、何が自分たちをこういう人種にしたのかがわかったような気がした。
国道とか走ってると本当にパチンコ、ラーメン、ジャスコ、車屋しかなくてうんざりしますね
地名はひらがなになるし、個性もなにもあったもんじゃないです。
以前の日記にも似たような事を書きました
自分一人が今の生活や文化を否定したってなんにもならないんですが
こんな景色の中で育った人、日本の原風景のような里山で育った人、下町で育った人
それぞれで同じ考え方の人ができるとは到底考えられません
その土地(景色)が人の人生に与える影響はとても大きいはず
ココまでくるのに、もうちょっとマシな選択肢や方法はなかったのかな?と思います
作った人が一概に悪いのではなくて、受け入れてしまった方にも責任があります
登場人物たちはおもわず泣き出してしまいます、自分もその場にいたら泣いてしまいそうです。
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最近仕事で「埼玉と群馬の県境」付近を通ったのですが
な かなかのどかな里山風景もありほっとしました
しかし(神奈川も千葉も似たようなもんですが)
どこでも地元の人達はジャスコの方向を向いて生活しているのは確かです。