一日寒くて雨の日曜日
なつみは出かけてるし
昼寝したりパソコンしたり
本棚の本を物色したり。
ふともう一度読みたい本が思い浮かんだ
野田知佑氏の「北の川から」
「大関松三郎の四季」(現代教養文庫)を読む。
この人は戦前の新潟の貧乏な農業の次男坊で
凄い生活詩を作った人だ。十九歳で戦死。
彼が愛唱したという中野重治の「歌」がでている。
お前は歌うな
お前は赤ままの花やとんぼの羽を歌うな
風のささやきや女の髪の毛の匂いを歌うな
すべてのひよわなもの
すべてのうそうそとしたもの
すべての物憂げなものを撥去れ
すべての風情をひん斥せよ
もっぱら正直のところを
腹の足しになるところを
胸先を突き上げて来るぎりぎりのところを歌え
たたかれることによって弾ねかえる歌を
恥辱の底から勇気をくみ来る歌を
それらの歌々を
咽喉をふくらまして厳しい旋律に歌い上げよ
それらの歌々を
行く行く人々の胸廓にたたきこめ