「えほん」というのは
面白いもので
筋の通った感動物語が
子供に気に入られるわけではなく
なんの脈略のないような
不思議な話がお気に入りに
なったりするのです。

- 作者: わきたかず,せたていじ
- 出版社/メーカー: 福音館書店
- 発売日: 1966/05/01
- メディア: 大型本
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「ぼくは、てんかの おだんごぱん。ぼくは、こなばこ ごしごし かいて、あつめて とって、それに、クリーム たっぷり まぜて、バターで やいて、それから、まどで ひやされた。けれども ぼくは おじいさんからも、おばあさんからも、にげだしたのさ。おまえになんかに つかまるかい」
逃げ出した「おだんごぱん」が
賢いきつねにパクリと
食べられるまでのお話。
なんども繰り返される
「おだんごパンの」自信満々のうたが
長男と自分のお気に入り。
「たべもの」を擬人化する事は
いずれ食べられてしまうのだから
人格を与えたり顔なんか
書いちゃったりする事に
ぞっとする「無邪気な残酷さ」
を感じるのですが
著者は人格を与えてしまった
「彼」が食べれてしまう事に
「死」やら「輪廻転生?」
やらの意味を与えているのでしょうか
「なにも考えていない」
というのが正解な気もしますが。