10月に千葉のおばぁちゃんちで見つけた升箱
元々納屋のあった辺りに転がっていた。
亡くなったじいちゃんにこの家は昔
商売をしていたと聞いたことがある
戦後、ひょっとしたら戦前。
こんなちょっとした物も
丁寧に綺麗に作られている
野ざらしで僅かに開いた仕口の隙間からは
職人引いた墨の跡が見えた
綺麗なだけでなく理にかなった
作りをしているからここまで持ちこたえたのだ。
現在。
こういう箱を用意しようと思ったら
ホームセンターへ向かい
樹脂製あるいはこだわりがあれば金属製の物を
1000円ほど出して購入するだろう。
今、この地方は仕事がないことが深刻な問題になっている
この箱が作られた時代には
使う人のために手間をかけ美しい実用品を作り
生活していた職人達が「確かに」いたんだ
この箱は美術品ではない、生活道具だ
今と昔、一体どっちが豊かだったんだ?